自己破産は最後の手段
借金をして、その借金と利息の返済ができなくなった場合、人はどのような行動を取るかというと、往々にして別の金融会社から新たな借金をする道を選ぶケースが多く見受けられます。これは、金融会社が一番楽に借りられるからです。ただ、それによって身を滅ぼす人もたくさんいます。そのような状況に追い込まれた場合、債務整理という選択肢が生まれます。
債務整理には、利息分の整理を行う任意整理や特定調停、借金全体の圧縮を行う個人再生、そして借金を全額免除とする自己破産があります。これだけを見ると、自己破産が最も債務者にとって有益な制度のように思えますね。他の制度の場合には、借金の額は減るものの減った後のお金は返済していかなくてはなりません。しかし、自己破産の場合は支払う必要がなくなるのです。
ですが、実際にはこの方法は最後の手段です。自己破産を申請すると、その後の人生においてかなり厳しい状況が待っています。もちろん、多額の借金を背負っている状態よりはまだマシですが、それでも失う物は多く、さまざまな面での不自由も待っています。
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自己破産によって命を救われた人は大勢います。ですが、財産を失い、家を失い、場合によっては仕事を失い、文字通り裸一貫からの再スタートとなるので、今の時代背景を考慮すると、かなり厳しいリスタートとなります。あくまでも最後の手段という事を念頭に置く必要があるのです。
自己破産の件数
債務整理の中でも、自己破産は最も借金の状況が厳しい場合に適用されます。ある程度の返済能力がある人に対しては、利息分を減額させる任意整理等が起用されますし、借金の額がかなりあるけれど、現在の収入が安定しており、3年ないし5年かければ一定額の返済が可能と判断された場合は、個人再生を起用する事になります。自己破産を起用する場合は、本当にどうしようもない場合です。それこそ億の借金がある場合、あるいは収入がない場合、財産も持ち家もない場合などです。
そんな自己破産ですが、クレジットカードの普及と共にその制度の利用者が大きく増加しました。1980年代は1万件前後で推移していましたが、「カード破産」という言葉が広まった92年から一気に増加し、98年には10万件を突破。03年には24万件にまで膨れ上がりました。この背景には、正常な金銭感覚を失ったバブル世代の破産や、不況の影響による失業率の増加、そして自己破産という制度の認知度が上昇した事があります。
しかしその後は減少傾向にあり、05年には80年振りの改正が行われ、手続きが簡易化されたにも関わらず、現時点においてもずっと減少傾向が続いています。この理由の一つに、個人再生が一般化した事が挙げられます。01年から施行された個人再生を利用する人の数は、03年~04年にかけて急増しました。ちょうどこの時期から自己破産制度の利用者が減っている事を考えると、こちらに流れる人が増えたという推測が成り立ちます。
自己破産のメリット
自己破産は、債務整理の中でも特殊な部類に入るといって良い制度です。何しろ、現在抱えている借金がすべて消えるわけですから、夢のようなお話と言っても過言ではありません。当然、自己破産のメリットはこの部分にあると言って良いでしょう。借金によって身動きが取れなくなり、いくら働いても返済額どころか利息分すら払えないという状況に陥った時、人は自ら命を絶ったり、蒸発したりといった道を選びます。自己破産を行う事でそういった行為を防げる事は、社会的な見地からも大きなメリットと言えるのです。
これに関連し、自己破産にはもうひとつ大きなメリットがあります。取立てからの解放です。多くの借金を抱えてしまった場合、単独の金融業者に借りているという事はまずありません。また、借金を重ねていくと、健全な金融業者からお金を借りる事は難しくなってきます。
結果として、多額の借金を背負う人は、悪徳業者やかなり取り立ての厳しい業者に借金をしているケースが大多数を占めています。その取立てから解放される事で、精神的にかなり楽になります。借金苦での自殺は、取立てで精神的に追い詰められる人がかなりの割合を占めます。自己破産は、そういった人達を救済する為の制度なのです。
その後に失う物も少なからずありますが、これらのメリットは借金を多く抱える人にとっては非常に大きなものと言えます。


